今年もあと2か月となりました。毎年の事ですが今年中にやり残したことはないかそわそわする季節になってきました。
みなさんには、家族の「思い出の味」って、ありますか?
実は先日、知り合いと「思い出の味」ついて話すことがありました。私は何も頭に浮かばず、考えて、考えて、やっとの思いで浮かんだのは「焼きそば」でした。
保母として、母は長年働いてきました。父を早くに亡くし、一家の大黒柱として母は朝から晩まで本当に忙しそうでした。
忙しいせいなのか、もともとなのかは分かりませんが、母の料理はあまりおいしくありませんでした。メニューのレパートリーが乏しく、一週間同じメニューが続くこともありました。
その中でよく作ってくれたと記憶があるのが、「焼きそば」です。
お昼ご飯には必ずと言っていいほど食卓に並ぶほど焼きそばはお昼ご飯の定番メニューでした。工夫次第で色々な味を楽しみ事ができます。
スーパーでソース付き麺を買ってきて、キャベツに玉ねぎ、ピーマンなど今思えば、母なりに野菜を食べさせようとした工夫だったのでしょう。具を先に炒め、麺をほぐして入れ、程よく混ざったらソースを投入。ソースの焦げたにおいが、懐かしく思い出されます。
小学生になった私は、お昼ごはんを作る担当になりました。
そのときも、冷蔵庫の中にはいつも焼きそばの材料が入っていました。私が最初に作れるようになったメニューも、焼きそばだったのでした。「目玉焼きをのせたらどうだろう?」、「シーチキンを入れたらおいしいかも」。など思いついたら色々やってみるという姿勢が身についたのもこのころが始まりだったのかもしれません。
今でも、どこかで外食するときには、メニューの中に焼きそばを探してしまいます。
焼きそばのソースの焦げた匂いがすると、母が必至で働いていた姿と、心細い気持ちを抱えながら家事を手伝っていた私の姿が、よみがえってきます。普段は忘れていたのですがいったん思い出すと次から次へとその時の思い出がよみがえってきます。
何年たっても、家族の味というものは、思い出と深く結びついて忘れることができないみたいです。
誰かと一緒に食べた記憶は、思い出になっていきます。赤ちゃんの離乳食は、実はその出発点。食べることの楽しさを赤ちゃんに感じて欲しいと思います。
栄養や食材の大きさ、どこまで進んだかなど、気になることはたくさんあるかもしれませんが、楽しい思い出作りの気持ちで気負うことなく離乳食を始めてみませんか。離乳食を始めるママの応援もしています。