ようやく朝晩涼しくなり、ほっとできる季節になりました。
虫の音に耳を傾けたり、店頭で梨や巨峰見かけると、一気に「秋」を感じますね。
ときどき、助産師として、「きょうだい関係」について相談されることがあります。
例えば、「下の子が生まれると上の子との関りが心配」とか、「一人でも大変なのに、うまく対応できるのだろうか」などです。
「どの方も真剣な表情で質問されているのを見て、毎日しっかり子育てをしているからこそのお悩みだなあと私には、感じられました。」
みたいな、親としてそういうことを考え、感じてしまうことを肯定してあげることが必要かなと思います。
きょうだいと言えば、私の身近で、こんなことがありました。
あれは、甥っ子が小学5年生くらいの頃。
家族で私の家に遊びに来たのですが、様子が変です。
見ていると、甥っ子は何かにつけて、ママに突っかかってばかり。
反抗期が来たのかなとも思ったのですが、どうやら「ママが妹ばかり、かわいがっている」「ママは妹のほうが好きなんだ」と信じ込んで、拗ねているみたいでした。
ママは「そんなことはない、二人ともかわいいのよ」と何度言っても、甥っ子の態度は変わりませんでした。
何日かした、ある日。
私の母、つまり甥っ子にとってのおばあちゃんが、
甥っ子をこっそり呼んで、「いいこと教えてあげようか」と、
まるでないしょ話をするみたいに、彼が生まれたころの話を始めました。
「甥っ子くんが生まれたとき、ママは本当に大事に大事にしていたよ。心配して泣いたり、ちょっと笑ったと言っては大喜びしたり、すごくかわいがっていたよ。」
「写真もいっぱい残っているでしょう。かわいいかわいいって、みんなに見せてたのよ」
里帰りして暮らしていたときのことを、丁寧に伝えていました。
甥っ子は、照れたように笑いながら、嬉しさを隠すこともありません。
こっそり聞いていた私も、温かいものに包まれたような気持ちになりました。
甥っ子は、ママから言われた言葉には態度を変えませんでしたが、おばあちゃんからの言葉は、スッと受け取ったようでした。その日から、拗ねる姿は収まったように見えました。
第三者が伝えた「ママの愛」が、甥っ子に響いたのです。
いろいろな角度から子どもを支えていくということは、こういうことか。
私は、甥っ子とおばあちゃんの関わりを通して、教えてもらいました。
(具体的ってこんな感じのことです)
子育て中の方できょうだいについて悩まれている方もいるかもしれません。自分のからだはひとつなのに、両方同時に泣いて途方にくれたり、どちらを優先しようか迷ったり。
そんなときは、 一人で抱え込まないことです。甥っ子のようにおばあちゃんという「一緒に暮らしていない人」が伝えた方が冷静に母ママの思いが伝わることもあります。
私たち、いくじ応援団にはいろんな世代のスタッフが揃っています。生後間もない赤ちゃんのいるスタッフから、保育園・幼稚園・小学校・中学高校の子育て中のスタッフ、おばあちゃん世代のスタッフまで、あらゆる年齢層のスタッフが寄り添います。そこに、専門職である助産師も加わっています。
いまは、ネットですぐに情報が得られる時代ですが、多世代がリアルに関わるからこそ生まれる「多様な関わり」「ゆとりのある対応」があると思います。どうぞ、気軽に足をお運びくださいね。